郵便受けから持ってきていたチラシを見て、何がいつ特売なのか、チェックをする。

「それチラシか。何やってんだ?」

読んでいた本から目を離し、問いかける水貴。

「特売日とか一通り目を通してるの。自給自足生活に慣れなきゃね」

「あー、そっか。金、大丈夫なのか?」

「貯金はあるし、平気。今日はバイトの面接受けに行ったし。」

「…大変そうだな。何かあったら言えよー。つか何のバイト?」

「たい焼き屋。明日から働く」
「ふぅん。無理せず頑張れよ」
「言われずもがな」

答えながら、ぴっ、ぴっとチラシに印をつける。
あ、この日卵安い。


と、


「…ん?」




視界の隅に入った、白い封筒を手に取る。


…そういえば、郵便受けにチラシと一緒に入っていた。

封筒の裏を反しても、宛名も何も書いてなかった。

糊は貼っておらず、するりと意図も簡単に封は開く。