重なる平行線

「はいはい。まぁ私に会いたかったと。…いやだから、何故に」

言って、たい焼きを頬張る。因みに、最初の一匹はすでに食べ終わっている。今は二匹目。

「あー、明確な理由はないって。強いて言うなら、………。」

顔を覗きこまれた。
「…?何、」
食べてる時に顔を見られると、妙に落ち着かない。

「……いや?お前の場合、親が死んでも悲しんだりしないとは思うけど、…」
「んー。うん」
悪びれることなくその通りだけど。


「精神不安定になったり、PTSDとかなってないか気になってな。お前、色々事情がありそうだし」

「…………むぐ」

呑み込もうとした矢先に、ものすごく心当りあることを言われて、噎せかけた。

今はまだ落ち着いているけど、昨日はちょっとなっちゃったからなぁ…。


心配、してくれたんだろうけど。
さすがは、『自分』。
「ほんと、見透かされている気分だよ」
ぽつりと呟く。
水貴は聞こえない振りをして、たい焼きを頬張っていく。

「ま、無事そうで、良かった」
「………」
照れ隠しだけど、心配されて頬が無図痒くなんてなってないですよ。視線がきょどっちまうだけです。

…でも、私のそういうのに気付いたってのは、水貴自身、なったりしたことがあるのかもしれない。

訊かないけど。