重なる平行線

頭を下げられた。
「…悪ぃ」
えっ。
「だ、大丈夫です!学校から許可は下りますし、こうみえて力はある方ですよっ」
こう見えて空手とかやってたんすよっ(関係ない)

「あー、じゃなくて。そういう事情あったのに、決めつけて悪かったな、って…。」

「あ、いえ…」
あ、面接が駄目なのかと思った。
良かった…。

「いや、前バイトしてたやつがな?接客はまともにできねぇ、仕事しねぇ、訊いてみたら学校サボってる上に家出しててよ。それで、…あー、悪い!」

「や、いやいやそんな…」

成程。
要するに、前のバイトしてた人があまりに酷かった為、警戒してしまったと。
例のギャル子さんのことかな。

「よっし、合格!」
…え?
「良いんですか?」
「おう。」
「あ、りがとうございます!!」うっしゃ!

「バイトの経験ないんだよな?接客大丈夫か?」
「はい、是非とも!」
「うっし。後輩。俺は長浜真紘(ながはま まひろ)ミッチリしごいてやるからな」にぃっと黒く笑う。

「お手柔らかにお願いしますよ、先輩」

と、

ガラリ