身なりを整え、服も清楚な感じで、髪も整えて。
バイトは基本的に校則で禁じられているけど、まぁ許してくれるだろう。

書いた履歴書に判子を押してファイルに入れる。


「…あ、そうだ」

忘れるところだった。
携帯を取り出して、アドレス帳にあるだろう二人のメアドを探す。
…あった。水貴。
…名字書いてないじゃん。困らないけど。
それと、津坂 旭。
うん。
津坂の名前はこれで確実に覚えた。多分。

先ずはメール文作成。
『鈴原です。
登録お願い致す。』

…絵文字つけとこ。

水貴にはペンギン、津坂にはクマさんの可愛らしい絵文字をつけた。
この前、春江からもらったやつだ。

文字だけだと、殺風景だし。(というか、春江にこの前言われた)

これでいっか。

そーしん。


よし。
じゃあ行ってこよう。
ドアを開け、外に出る前に、首だけをくるりと振り向かせる。

「行ってきます」

私以外に誰もいない家に向けて、呟いた。