重なる平行線

「やっべ、もうそんな時期か。うあー何も考えてないよ!!」

…多分こんな感じ。

ま、大体こんな受け答えだろう。


春恵は「やっぱりねぇ」としたり顔で笑う。

…考えては、いるけれど。
深く考えているわけではないので、全てが偽りだというわけではない。

その話はこれで終わり、他の話題へと盛り上がった。

そして、バスから降りて駅へと向かう間。
ふと視線を感じて顔を上げると、何かを言いたげにしている顔の春恵。

「…どしたの?」