「クジラ」
「ラップ」
「ぷ?…プール」
「ルール」
「ループ」
「ぷ…ぷ。またプ!?」

帰り道。

私と水貴と津坂で、しりとりをしながら家の近くまで送ってもらっていた。

「早く言わねーと時間制限つけっぞー」
「『ぷ』ならいっぱいあると思うけどなぁー…、所詮ちみはその程度なのかね?」

詰まる津坂を水貴と急かす。
私は急かすというより、変な口調で謎のキャラになっている。

そろそろ10周ほどになるが、その度に『ぷ』で津坂は攻められている。

さすがにここまで来ると故意すぎる。
実際、わざとやっているのだが。

水貴が『ぷ』で津坂を攻めているのはすぐに気付いたので、私も加担してみた。

水貴が『ぷ』で攻め、津坂が返した言葉を『ぷ』で攻めやすい言葉にして水貴に託しているのが私である。

「ぷ、ぷ、…あ!プルトップ!」
「プロ」
「ロープ」
「また俺『ぷ』!?勘弁してくれよー…、つか、もしかして二人で協力して攻めてない?」
「「ご名答。」」
「…『ふ』にしても良い?」
「「駄目」」
「そこもハモんないでくれ…」
笑い声はないけど、何となく暖かな雰囲気。
この空気が、私は決して嫌いではない。

暗くなった夜の色に、街灯の光が時々、私達を照らす。

そうして歩いていると、自分の家が遠目ながらも見えてきた。