重なる平行線

「そういえばさ、」
「んー?」

家に帰る途中でのバスの中。

いつもの風景。

携帯を弄っていた(校則違反だけどね)ハルが、不意に口を開いた。

「もう来年は受験生でしょ?」「…ん、」今は高校二年生だから、「そうだねぇー」軽く相槌。

「進路とか、考えてる?」

「…あー」

ふと目線を窓の外へとやり、ハルの質問への答えを吟味する。


進路について考えていないわけではない。
だけど、[美月ちゃん]ならどう答えるのか。