重なる平行線

最初から私を生かすことが前提の殺人じゃない―…


「鈴原さん」

顔を上げる。

水貴と無言の表情と、津坂の心配する顔。

「もう一度訊きますね?」

私は、どういう顔をしているのか。
どういう顔をするべきなのかな。

空になったコップの中で、氷がカラリと音を立てる

窓ガラスに映った私の顔は、

無表情だった。

「犯人に心当たりはないですか?」

ああ、警察署でも同じ質問をしてきたね。あの時は『検索中』とかぼかしていたけど。
「わからない、です」
私は、あの親達の裏の顔は大分知ってても、表の顔は、半分しか知らないから。

だから本当に、『わからない』。
これが私の――答え。