重なる平行線

「…ん、そうだった」
カレーを食べるのを一旦止めて答える水貴。

もしかして、本当に忘れてたのかな。どっちでもいいけど。

ちらりと津坂の方を一瞥すると、もう食事を終えていた。
意外に早食い?

「…今日、TVで見たんだ。この市内で起こったっていう事件、鈴原さんのこと?」
神妙な面持ちで問う津坂。
この手の話に関しては触れなさそうな人だと思っていたから、少し驚く。
とりあえず「うん。」と答えたら、「そうなんだ」と返ってきた。
人が良いと言うまで、あまり踏み込まないタチらしい。
…結構良い奴みたいだ。

別にこれは踏み込まれても良い、というかむしろ話す為に来たんだけどね。

話し出したのは私だが、冷めない内に食べきりたかったのでまだ温かいカレーを口に運ぶ。むぐむぐ。

「そーそー。その話。ほの事件にひゅいて、詳しく話してほしひ。」噛みながら喋っている為、やや聞き取りづらいが言わんとしていることは分かる。
「詳細っていってもね…大体ニュースで言ってたのと同じことしか私も知らないけどね」

ニュースの方が詳しいかもしれない。TV見てないけど。

今日は死体見たり警察呼んだり疑われたり色々忙しかったからねー。
全く笑えねー。