警察署の前。
「んー…」
眉根を軽く寄せて腕を組みながら、水貴は何かを考えている。
「…まぁ、今もここに居るってのはないかもしれないな」「んー」
辺りは薄く空の色が濃くなっている。
事情聴取というのがどれくらいかかるのかは知らないが、もう帰ってしまったのかもしれない。
「んー…、いや、さっきまでここに居た気がしたんだけどなー、んーぅ」「エスパーかお前は」
いやまぁ、コイツの場合あり得そうで怖い。
「どうする?中に入るか?」「ん゙ぅ゙ん゙ー」
…それは嫌らしい。
ところで、何でコイツは唸ってんだ?
宇宙と交信中?
「…ん」
そんなことを思っていたら、突如水貴の唸り声が止んだ。