重なる平行線

けど、言おうとしたことは、きっと同じ。

口を閉ざして発言権を水貴に託す。
水貴が言え、というのが伝わったのだろう、水貴が再度口を開く。
「俺とお前は、…多分、同一の存在だ。存在そのものが似すぎている。」
「性別以外はね」ここ重要、と口を挟んだ。

水貴は、ああ、と頷いて
「姿形の問題だけじゃない、きっと、」


『―中身すら、おんなじだ。』


目線だけをかち合わせて、互いに無言の同意。

もはや自分の鏡、という問題じゃない。