重なる平行線

切れたとか言っても切ったのは私なんだけど。

ツー… ツー… ツー…

右手に持った一定のリズムを刻む子機を見遣る。

ベッドへ向いて片足を上げ大きく振りかぶって、

「せーのっ」

投げた。

正確には叩きつけた。

ぼふんと布団の上で跳ね、その次には衝撃が布団に吸収され静かになる。

「喋りすぎて喉乾いた」

呟いて床に右膝を立てて座る。
水分補給する為に動くのも面倒だった。

もう何度目か分からない叔父からの電話。

基本的な内容は明日執り行われる鈴原秋人の葬式の打ち合わせ。

といっても私は何もしていなく、叔父の裕一君に丸投げ状態。
鈴原秋人の両親は私が幼い頃に亡くなっているので、鈴原綾美の弟である裕一君に頼んだ。


電話の度に一緒に暮らす話を持ちかけられ、その都度断っていた。

私もそうかもだが裕一君も中々しぶとかった。