重なる平行線

「にしても、よっぽど嫌いなんだね渡貫さんのこと。私も苦手だけどさ」

『…当たり前だろ。あーゆータイプは、俺達にとって天敵みたいなもんだ』

「…というか、似てるからね。人と接する時の対応が」

『俺達は』「私達は」「『気付かれないように探りを忍ばせるけど、あの』」「オジサンは」『おっさんは』「『態とそれを見せびらかしてくるから嫌い』」

『「…………。」』

一人称と渡貫刑事の代名詞以外ハモるってどういうこと。

『「予想GUYデス…」』

いや、ある意味予想の範疇だったけれど。


「さすがはもう一人のボク。類は友を呼ぶ?」

『型は嫌悪を生むけどな』

「綿貫刑事は何て?」
『いや、関係あるかどうか色々探り入れてきた。結果的に、白に近い黒に判定したらしい』

「それ結局疑われてるじゃん。
…あ、ねぇねぇ今どんな気持ち?疑われるってどんな気持ち?」

『それ言ってみたかっただけだろ。元ネタ俺は知らねーけど。』
「ばれた」

『お前は?何か気付いたことあるとか言ってたろ。』

「あー。うん。撮られた写真は全て」
『うん』

「撮っている位置がやたら高い!」

『ふぅーん』

「だけ」

『……まぁ、気付いたことと分かったことは違うもんな』

「…あ、でも分かったこと一つあるよ。190の長身男性が全身黒づくめで家の周辺うろうろしてたらしい。しかも事件当日。」

『へー。何、聞き込みでもしたか。』

「ううん。綿貫刑事がサービスで教えてくれた」

『…女には気前いいのか、あの狸。』

はぁーっと聞こえてくる溜め息。
何か奢らされたりしたのかな。