重なる平行線

『あの時は制服のままだったから、学校の特定はすぐだったろうしな。遅かれ早かれ、俺のとこに来たのは時間の問題だっただろ。』

「…ごめん。巻き込んで」
これは真面目な謝罪だった。


『あー?写真に指紋つけたのも俺の落ち度。別にいーし、暇潰しだと思えば。』

けらけら笑って、湿りかけた空気を払拭する。

水貴の生きる術に、少しだけ触れた。
だから、似すぎなんだよ。水貴は。


『別に警察はいいんだよ』
いいのかよ。
『あの狸オヤジがせめて美人婦警だったらなー、アダルト美人婦警?取り調べでも何でも受けて立つぜ。寧ろ個別で調べてほしい。』

「このエセ発情期が」

『年頃の野郎舐めんなよ。ついでに思春期に訂正しろ』

「この思春期に託(かこ)つけて日々妄想に耽り女子高生のパンチラを求めハァハァしながら日々巡回しているエロオヤジ少年が」

『あれっ、さっきよりキモいことになってね?
俺はそこまで常時欲情なんてしてねぇよ』

「ふはは」


口の端から笑いが零れて、人との触れ合いを認識する。

けれど水貴との接触は他の人とまた違う靄のような掴めないものが、心中に浮く。

良く言えば安堵。
言い方を変えれば、不快。

確かに自覚する、感情に近い〈それ〉を今は、見送る。