重なる平行線

「後輩、どうだバイト。慣れたか」
「はい、まぁ」
私としても後輩と言われるのは初めてなので、妙な感じだ。
…でも後輩に向かって後輩と呼ぶ人も稀有だよね。

「あれ。それなら、前のギャ、バイトさんには何て呼ばれてたんですか?」
ふ、危なかったぜ、ギャル子さんと呼ぶとこだったぜ。

「……あぁ、前のギャル江な」
あれー。
しかも子じゃなくて江だった。
いやどっちもあれだけど。失礼だけど。

「……おじさん、って。呼びやがった…」
声のトーンが低いです、先輩。

「…先輩ってお年はいくつですか」
「………………22」

そうなると、21でおじさん呼ばわりされたのか。
悲痛だ。

「あああーー、俺寝るから、紅茶できたら起こしてくれ」
机に突っ伏しだした。
思い出したくないことだったらしい。


「了解です」
かくして、先輩は現実逃避の為に夢の世界へと旅立たれてしまわれた。

…そっとしておこう。