「?変な奴だな。」
「あっはっは」
隠れオタクですから。
あっはっは。

「あ、そうだ暫く休んでて良いぞ」
「え?」
「暫くは客来ねーんだよ。さっきのは近くの学生達の下校時間だったからな。あれがピークみたいなもんだ。部活が終わる時間にまた客来るけど、それまでは休んでな。俺も休むし。」

「なるほろ。…でも、それまでは店、どうするんですか?」
全く客が来ないわけじゃないだろうし。

「あぁ、山さんがやってくれるってさ」
ほれ、と顎で示された先には寝ぼけ眼の店長の姿。

「ふぁ~あぁああ。あー、ごめんな二人とも。」
豪快な欠伸と共に謝罪を吐き出す店長が来た。謝罪の思いが微塵も感じられないのは、きっと気のせいではないだろう。


私と長浜先輩が齷齪働いている時に、店長は奥の部屋で爆睡していたのだ。
バイト(私)が入ってきたから楽できる~とか何とか。
店長権限というやつだろうか。

「二人ともお疲れー。あ~よく寝たぁ」

そりゃああれだけ寝てればねぇ。


「お疲れッス山さん」

まだ眠そうなオジサンに労いの言葉をかける長浜先輩。
寝てる人に労いも何もないだろ、とか思わないぞ。

「おはようございます」
私も長浜先輩に倣って挨拶をする。