三枚の写真に共通していること。
――アングル。

被写体の角度がどうとかより、撮っている位置が高い。

私の父親、鈴原秋人がまだ生きている(というか殺され中の)写真では、鈴原秋人はこちらに向かって――つまり犯人に向かって睨み付けている。

こちらに向かって、見上げているのだ。

すぐ真下を撮ったという感じではないけど、かなり見下ろす形になっている。


鈴原綾美の写真もそう。
目隠しされている鈴原綾美は、こちらを見上げようと顔の角度を上にあげている。

そして鈴原秋人が殺害された後の写真。


これら三枚に共通すること、

写真を撮っている位置が、高すぎる。

どれもこれも、私の身長からだと無理な位置。
基準的な身長の人が背伸びしても低いぐらいの位置だ。
椅子を使ってでもない限り、かなりの高身長が撮ったもの。

渡貫さんが言っていた、190cmの黒づくめの人だろうか。

…けどなぁ。
知り合いにそんな高身長いたかなぁ。