「謝罪の言葉がないって言ってるよな?」


「しー君!

知也君、しー君を止めてよ!!」

「いや、あいつ。

半分わざとだ。」

「え?」

「昔の時は結衣ちゃんは気絶してたから知らないかもしんないけど、

今の10倍はヤバイ。

ま、見てな。」


ゴシャッ、

「や、やめて…」

「謝罪の言葉は?」

「ご、ごめ…」

ガンッ、

「あ?」

「ご…」

ゴシャッ、

「…。」


「…気絶したか。

ふぅ。」

史郎が手を放した。

「おい、勝ちだろ?」

史郎が審判に訊く。


『え?

…あ、はい!

勝者、1位チーム!!』




「しー君、大丈夫?」

「ああ。」

「あれ、わざとだったの?」

「最初の一撃は本当にキレた。

後のはわざと。

じゃなきゃ、本気で何回もやってたら死ぬから、普通。」

「…良かった。

しー君がいつものしー君で。」

「結衣は傷、大丈夫か?」

「あ…」


「お任せください!」

水瀬と幸大がやってくる。

「水瀬が傷を治してやるってさ。」

「ありがとう。」

「いえ、仲間ですから!!

先輩、手を握っててくださいね。」


ボウッ、


ヒュゥッ、

傷が治る。

「我ながら完璧だと思いませんか、先輩。」

「ああ。

史郎、知也、結衣。

お疲れさん。

外で飯食おうぜ。

他の3人に先に行ってもらって場所とりしてもらってるから。」

「おう。」

「はい。」

史郎と結衣が言う。

「先輩、ファミレスまで手は握っててくださいね。」

「ああ。」


「幸大のおごりか?」

知也が訊く。

「んなわけあるか。」