学園祭まで約一週間。


この時期になると忙しさに差が出る。

未だ完成の目処が立たず慌ただしく動く生徒。


余裕の出てくる生徒。

そして…


「やっぱしこのメンバーが一番だな。」

知也が言う。

「しかし、皆暇なのか?」

幸大が訊く。

「はい。

1年の私たちは飲食店なので後は本番に材料が揃えば完璧です。」

「飲食店は飾り付けとメニューとシフトと回転率をあげる作戦ができれば楽なのよ。」

「…(コクッ)」



「奏は?」

「ああ。

私のクラスってお化け屋敷なんだよね。

知らなかったけど。」


「で、暇なのか?」

「ほら、私ってお化けとか苦手でさ。

最初は脅かす側だったんだけど、怖くて暴れちゃうんだよ。

そしたら、いつの間にか受付に回されてて。」


「当日しか出番がないと。」

幸大が言う。

「ま、そういうとこだ。」


「結衣は?」

史郎が訊く。

「私の場所はアトラクションだから設備が完成したから後は当日までやることはないの。」


結衣が言う。


「じゃあ、本番が楽しみだな。」

知也が言う。


「そういう知也が一番楽しそうだな。」

幸大が言う。