「…ふにゃっ?

ここはどこですか?」

水瀬が目を覚ました。


「起きたか?」

幸大が言う。

「先輩…

あ…私たちこの部屋で戦ったんでした。」





しばらくして全員が目を覚ました。

「しー君!

私、頑張ったんだよ?

皆が戦ってる時に真琴ちゃんと一緒に敵にバレないように御札を貼って…」

「よしよし。

お疲れさん。」

史郎が結衣の頭を撫でる。


「知也先輩、お怪我はありませんか?」


「真琴こそ大丈夫?」

「はい。」



「奏、柚葉。

魂は?」

幸大が言う。

「ここにあるわ。」

「へへっ、すごいだろ?」


「ああ。

やっと、母親に会えるな。」


「沙耶は?

魔力、回復したか?」


ちゅっ。



「…今、回復した。」


「ああ!!

沙耶さんズルいですよ!!」

水瀬が言う。


ゴゴゴゴゴゴッ、


「な、何だ?」

史郎が言う。

「城に充満していた魔力が…

魔法を発動させたみたいだな。

城から出た方がいい。」

幸大が言う。

「なら兄様、すぐに出口に戻りましょう。」

「出口に戻る必要なんかないだろ?」

「え?」


バゴンッ、


壁をぶち抜いた。


「出るぞ!!」


全員が城から飛び降りた。


「『水風船』」


バインッ、

無事に全員が着地した。