『状況把握?

推理力?


未来予知ではない…か。


ならば恐れる必要はない。』


「正面、後ろ、上。」


史郎が言う。


ガキンッ、

ザシュッ、


スパッ、


正面を史郎が、後ろを知也が、上を幸大が担当した。


『同時も無駄か…』


「お前ら…お前らは魂を探しに行け。」

幸大が言う。


「え!?

幸大は行かないのかよ!」

奏が言う。

「手分けした方が早いだろ?

こいつらは俺と史郎と知也で相手する。


お前らは魂を頼む。」


「でも…」

「わかったわ。」

柚葉が奏の言葉を遮る。


「柚葉?」

奏が言う。

「兄様たちが魔族全員を相手にしてる間に魂を探して早く外に出た方が良いわ。」

「何でだよ?」

「…この城全体が魔力を帯び始めている。」

沙耶が言う。


「え!?」

奏が驚く。


「そういうことだ。

何かあったら、魂を取り戻せないかもしれない。


だからお前らは魂を探しに行け。」



「…わかった。

その代わり、私たちが危なくなったら助けに来いよ?」

奏が言う。

「当然だ。」

「真琴、無茶はしたらダメだからね?」

知也が言う。


「結衣もだぞ?」

史郎が言う。


「「はーい。」」


「知也、ライナーで奥の扉まで運んでくれ。」

幸大が言う。

「オッケー。」