ガシャンッ、


部屋に入ると扉が閉じた。


「閉じ込められたのか?」

知也が言う。


「いや、あれを見ろ。」

史郎が言う。



ザッ、

「ひゃう!?

魔族の皆さんがいっぱいですね…」

水瀬が幸大の後ろに隠れた。


『やぁ、人間の諸君。

この城に来た用件は何かな?』


魔族の一人が言う。

「用件は二つ。

1つは結晶化した魂を二つ。

返してもらおうか?」


『…もう1つは?』

「お前らの魂。」

幸大と魔族の殺気がぶつかり合う。


『その条件は飲めん。

帰ってもらえないか?』


「よく言うぜ。

生きて帰す気はないんだろう?」

『ほぉ…

魔族の思考は掌握済みか。』


「まぁ、お前らが条件を飲めなくとも…無理矢理にでもやらせてもらうけどな。」


『そうか、なら死ね。』


ガキィンッ、


結衣の背後に現れた魔族の攻撃を史郎が結衣の剣を使い防ぐ。


『チッ!』

「結衣、大丈夫か?」

「うん。

しー君が守ってくれたから。」


「知也、上。」

史郎が言う。


「『ライナーフォーム』」


真上に光の道。


『しまった!?』

真上には3人の魔族。


「ハァッ!」


ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、

光速の攻撃により魔族は塵になる。


『なぜ、わかった?

未来予知か?』

「違うぜ。

俺には特殊能力はない。」


史郎が言う。


「ただ、

状況把握と推理力が人より良いってだけだ。」