「式神のお陰で何とか間に合ったか。」


「貴方は?」

少女が言う。


「2年、総合学科の幸大だ。」


「幸大、突っ込んでくるぞ!」

奏が叫ぶ。


「『結界』」

バチィンッ、

恐竜を弾く。

「ぐっ!?

なんつー一撃だ。

ガードは危険だな。」


「あの、私なんか見捨てて逃げてください。」

「嫌だね。


安心しな。

お前は俺が守る。」

「え…」

「しっかり掴まれ!」

「は、はい。」

ぎゅっ。


タンッ、

幸大が横に飛ぶ。


ドゴンッ、

先ほどまで幸大が立っていた場所に恐竜は尻尾を叩きつけていた。

「出でよ、我が刃!」

空中から例の刀身のない刀が現れた。


「ギャォォォォ!」

尻尾を叩きつけた。


「五行、

『水』


『滝登り』」


スッ、

ドゴンッ、

尻尾の軌道が刀で逸らされ幸大の横にずれた。


「五行、『木』

『木像』」

恐竜の近くに恐竜の木像が現れた。

「ギャォォォォ!」

恐竜は木像に突進する。


「五行、『土』

『墓穴』」


ズドンッ、

木像を残したまま落とし穴が現れ、恐竜は足を引っかけ転ぶ。


「五行、『火』


『烈火』」


ドゴウッ、


炎の斬撃が恐竜を斬る。


「ギャォォォォ!」


バシュウッ、

「消えた?」

恐竜が消えたことに幸大が驚く。

「召喚されたモノは死んだり壊れたりする変わりに召喚前の場所に帰りるんです。」

少女が言う。