グラウンド


「うわっ、僧侶学科でいっぱいだな。」


奏が言う。

「ちょうど召喚される所みたいね。」

柚葉が言う。


「柚葉は何でブレスレットを外してるんのさ?」

奏が訊く。

「兄様の前だから、よ。」





ゴウッ、

魔方陣が光る。


ビキッ、ビキビキッ、


「おい、魔方陣に亀裂がはいってねぇか?」

幸大が言う。



パリィンッ、


魔方陣が壊れた。


「恐竜!?」

魔方陣のあった場所には恐竜がいた。


「あら、ティラノサウルス?」

柚葉が言う。


「でかいな。」

幸大が言う。



「ギャォォォォ!」


ドゴンッ、

尻尾を振りながら一回転。

魔方陣を作った3年の僧侶学科の生徒が全員薙ぎ払われた。


「逃げろ!」



ドドドドドッ、

一斉に生徒が離れ、恐竜が残される。


「あそこに一人いるじゃんか!」

僧侶学科の生徒らしき少女が転んで足を捻ったのか足を押さえている。



恐竜もその少女を見つけ歩き出す。



「くっ!」

幸大が走り出す。

「恐竜の目を逸らすだけでいい!


式神

『鳥』」

幸大が三枚の札を飛ばす。


ボゥンッ、

烏のような黒い鳥になり飛んでいく。


「ギャォォォォ!」

バシュウッ、

尻尾ですぐに攻撃され破れた札になる。


「ギャォォォォ!」