水瀬、沙耶ペア


「なんか不気味ですよね…」

水瀬が沙耶の手を握りながら言う。

「…。」

「さ、沙耶さんは怖くないんですか?」

「怖がってもどうしようもない。」

「そ、それはそうですけど…」

「灯りが見える。」

沙耶が指差した先には光。




二人は広い部屋にたどり着く。


「き!?

きゃぁぁぁぁぁ!!」


水瀬が悲鳴を上げた。

「これは…死体?」




水瀬が見たのは床に転がる死体。

それは幼い少女。

体が裸で幾つもの肉塊に切断されていた。



『おやおや…

これは、これは…可愛らしいお客さんだ。

興奮してきたよ。』

「誰?」


パッ、

部屋の電気が点いた。

「ひっ!?」

水瀬が小さな悲鳴を上げた。


部屋には大量の死体。

どれもこれも切断され、真っ赤な血を流した肉塊だった。

「どういう事?」


『ああ、電気かい?

確かにこのお城には似つかわしくないが、あった方が便利だろう?

それとも…

この僕の部屋のアンティークたちかい?』


「し、しし、死体が、アンティークなわけないですよ!!」


水瀬が沙耶にしがみつきながら言う。


『僕の部屋に訪れた子は皆そう言うんだ。

このアンティークが嫌いかな?』