「…。

どうするかな。

まぁ、まだ時間はあるからな。

そのうち決めるさ。」

幸大が言う。


「兄様ははっきりしないわねぇ。

ま、その原因は奏さんにあるんでしょう?」

「まぁな。

奏とも組みたいしな。」


「わ、私も、幸大と、組めたら良いなぁ、なんて…

思うけど…」

「奏さん、ゴニョゴニョ言われても聴こえないわよ?」

柚葉が言う。


「おい、柚葉ちゃんって悪女?」

知也が訊く。

「まぁ、心根は優しいんだがな。」

幸大が答える。


「そうね。

私は兄様には優しいわ。

兄様の友達にもね。


だけど、恋敵は別だと思うわ。

ねぇ、奏さん?」


「う、うっさい!」


「二人とも幸大のことが好きなのか?」

知也が訊く。

「ああ。

そうらしい。」

幸大が言う。


「なのにお前は選ばないのか!?」

「そういう約束なのよ。

異世界は日本とは法律が違うもの。


ハーレム。

つまり、一夫多妻が可能なの。」

柚葉が言う。


「そーゆーことか!」

知也が驚く。

「確かにそれもある。」


「それも?」

知也が訊く。


「幸大は私たちのために異世界に行くんだよ。」

奏が言う。