試験も終わり、学園の生徒が夏休みを待ち遠しく思う今日この頃



「あちー…」

知也が机の上でぐったりしていた。

「知也、試験の結果はどうだった?」

幸大が訊く。

「へっへーん、

見よ、我がテスト結果を!!」

知也が成績表を見せる。

「うおっ!?

お前にしちゃあ珍しいほど良いじゃねぇか。」

「へぇ、どれどれ?」

史郎が覗き込む。

「何だと!!

俺より良いなんて…」

史郎が床に膝をついて落胆する。

「真琴は教え方がうまいからなぁ。

史郎も結衣ちゃんに勉強を教わったらどうだ?」

知也が言う。

「それがな…結衣はことある毎に甘やかしてくれるんだよ。

だから、勉強にならない。」

「ああ、わかる気がするな…」

幸大が言う。


「買ってきたぜ!!」

奏たちがアイスの入った袋を持って教室に戻ってきた。


「待ってました!!」

知也がアイスに飛び付く。






「なぁ、夏休みって皆はどうする?」

奏が言う。

「予定のある奴なんかいるのか?」

幸大が言う。

…。


「まぁ、そうだよな。」

奏が言う。


「本当なら今年も海に招待したかったんだけど…」

結衣が言う。

「旅館は幸大が幽霊退治してから急に客が入って、夏休みは全て満室なんだってよ。」

史郎が言う。

「お前のせいかよ〜」

知也が言う。

「俺のせいかよ!!」