港、倉庫

「何で悪者って港の倉庫が好きなんだろう?」

知也が言う。

「中に監禁に必要なものをたくさん収納できるし、

音も漏れにくいし、扉も思いから脱出は難しいし、気づかれやすい。

しかも、最悪の場合、海に投げ込んだり、船で逃亡もできるだろ?」


「なるほど…

幸大、何でそんなに詳しいんだよ。」

「秘密だ。」

「って言うか、何をやってんだ?」

「敵に逃げられたら困るだろ?

だから倉庫に結界を張ってるのさ。

それに中でドンパチやってたも外に音や光、衝撃が漏れないようにな。


さて、完了だ。」



「じゃあ、行くぞ。」

知也を先頭に倉庫に…

「扉が…固くて…」

知也が言う。


「鍵だろ。

奏、同時に扉を殴り飛ばすぞ。」

「へへっ、任せなって。」




倉庫内


「真琴ちゃん、何でこんなことするの?」

結衣が言う。

「…。」

『こいつは家族の命を助ける代わりに貴様らを売ったのさ。』

「言わないって約束のはずです!!」

『どうせ死ぬんだ。

良いだろ?

お前もそいつらも、お前の両親も。』

「え?

それは約束が…」

『ははは!

魔族が約束なんか守ると思うか?

ほら、これを見な。』

ドサッ、

「パパ!

ママ!」

『安心しろ。

まだ、魂は抜いてない。


この小娘はな、自分の両親の魂を食われたくなければ、友達の魂を差し出せ。

そう言ったらお前ら2人を差し出した。

まぁ、俺としてはもう一人の男もさらっても良かったんだが、

小娘が泣いて頼むからな…

あの場では信頼をさせるためにも男は逃がしてやった。』