「いったい、何者だったんだ?」

史郎が言う。

「それより二人は?」

沙耶が訊く。


「ああ、私はもう平気だ。」

奏が言う。

「私もよ。

心配してくれてありがとう。」

柚葉が言う。


「代わりに水瀬ちゃんが力尽きてるな。」

知也が言う。

「きゅぅ〜。」

「水瀬、大丈夫か?」

幸大が訊く。

「先輩〜魔力をください…」

「ほら。」

手を差し出す。

ガシッ、

水瀬が強く握り、


グイッ、

思いきり幸大の腕を引っ張る。


「うおっ!

…ん!」

水瀬とキスをした。


少し長いキス。

そして…


「ふっかーつ!」

水瀬が元気になる。

「水瀬…お前…」

幸大が息を切らしながら言う。

「肉体的にも、精神的にも、魔力的にも、

完璧です!」

水瀬が言う。

「いつも元気じゃねぇか。」

幸大が言う。


「違いますよ〜。

元気な時は胸の揺れが違うんです。」

「知らんがな!!」

「毎日見ててくださいよ〜。」

「それはただの変態だろ?」

「好きな人の胸を見るのはむしろ愛ですよ!!」

水瀬が力説する。

「はいはい。

今度からな。

帰ってクリスマスパーティーでもしようぜ。」

幸大が言う。


「だったら電気ストーブを持ってる史郎の部屋だな。」

知也が言う。

「良いけど、食い物も飲み物もないからな?」

史郎が言う。

「じゃあ、一時間後に各自飲食物を持ってしー君の部屋に集合ね。」

結衣の合図で各自が散らばった。