ああ、ダメ。 口元がにやけるのを我慢出来ない。 リビングに居た為、携帯を見つめてニヤニヤしているのを気付かれないように口元を手で隠した。 ケンジもあたしと同じ気持ちだったなんて嬉しすぎる。 こんなにドキドキするのはどのくらいぶりだろう。 この時だったらまだ引き返せたのかな。 ───……いや。 この時はもう、既にケンジ以外の人なんて考えられなくなっていたのかもしれない。