当の本人は気づいていない。

私は甲高い声にイライラしていた。

「瑠奈、落ち着け。」

「だってぇ…。」

雅は私がイライラしていることに気付いたみたい。

女子のきゃーきゃー騒いでんのは気付かないの?

いや、気付くよね、普通。

その時。

「伊藤さん。」

後ろから私を呼ぶ声がした。

私は後ろを振り返った。

「ん?」