輝斗と別れた後


家の前にもたれかかっている雅を見つけた。


「瑠奈。」

「入る?」

「あぁ。」


私は雅を家に入れた。



そして私の部屋に入った。



二人でソファに並んで座った。



雅が聞きたいことは一つしかない。




「やっぱり今日呼び出した奴が犯人だよ。」


「っ!!」


「はっきりと言ったわけじゃないけど。」



雅は遠くを見つめた。



私は今日の出来事を全て雅に話した。




「そぅか。」

「ねぇ、雅。輝斗はどうして変装してるの?」

「有名なんだよ。この街で。」



それは輝斗も言っていた。


でもだからって変装する必要はないんじゃ…。


「あいつに勝てる奴はいねぇくらい。」


「雅も負けたんだ?」


「っ!ばか引き分けだ。」

ぷっ…


意地張って。



「それで?」



「輝斗は総理の孫だよ。」



「……………はぁあ!!!!!??????」



総理ってあの総理!?


うっそ…。


「だから、学園では大人しくしてんだよ。」



「…。」



納得。総理の孫が街で有名なんてやばいもんね。



でもわかる人はわかるんじゃ…?



「でもまずいな。」

「何が?」



雅は煙草に火を点けた。


「その矢野って奴が輝斗のことを探ったら…。」

「っ…!!!」

間違いなく公表するだろう。



そうなったら輝斗は退学…。