そのときだった。 「市川くんでしょ?総理の孫って。」 私たちが振り返ると、私のカツラを剥ぎ取った、あの女子が立っていた。 「「「「っ!!!!」」」」 「やっぱりそうなんだぁ。」 クスクスと笑う女子。 「だっておかしいと思ったもん。街で有名なルキトってだけなら、カツラ被る必要ないでしょ?」 「…。」 輝斗は真っ直ぐ女子を見つめた。 私は手に汗を握っていた。