イマージョン

「大丈夫?」
舞が心配そうに私の顔を覗き込む。
「いきなりごめんね。もう大丈夫」
「さっきも言ったけど顔とか痩せたよね。具合悪いの?」
「痩せはしたかもしれないけど、前のバイトのストレスから解放されたからかなぁ。お菓子食べなくなっちゃったし…今は、お弁当でじゅうぶんかな」
「いいなぁ。あたし、ここでは時間ないから食べらんないけど、ウチで食べちゃう」
舞の話しを聞きつつ、食べ終わった、お弁当を片付け、煙草を吸う。甘いジュースも要らないから緑茶を飲む。やっと落ち着いた私は、さっき見ようとしていた、携帯の着信履歴を確認する。眞奈からだった。かけ直そうとしたけれど、休憩所はザワザワしているし、舞の傍から2度も席を離れるのは気が引けたので、仕事が終わってからかけ直そうと思った。
「なぁに?彼氏ぃ?」
携帯を見ていた私に舞は瞬時に反応をする。
「ちがうよ。友達。彼氏とは、別れたし」
「えー!まじ?なんで?」
「ん~…マンネリつーか、気が合わなかったつーか…」
私が利用していた。とは、まさか言えないので当たり障りの無い言葉で片付けた。
「そーなんだ。美夢ってヒミツ主義ぽいよね?」
「そーかな?聞かれなきゃ言わないだけだよ」
義則の事なんて自分から話したくもないし、反対に素敵な彼氏だとしたら聞かれ無くても自慢したくなるかもしれないけれど。
「ここなら、男に困らないよ!」
舞は、またイタズラぽく笑っている。