イマージョン

その音で無限ループから解放出来た。作業台から少し離れた場所に座り込み其処で昼食をとる人達が居る。流石に地べたはな…。思いながら休憩所の場所は…と、皆が向かう方向に私も従う。私の部署と舞の部署の中間地点の廊下の途中の部屋に人々が出入りしている。扉を開けると、本当に学校の教室の、お昼休みの様な景色が広がっている。舞が言っていた通り、同年代の男女が50人位は居るだろうか。休憩所は既に満室だ。地べたに座り込んでいる人に納得した。
「美夢~」
声が聞こえる方向に目をやると扉を開けて直ぐ右側の壁際に既に舞が座席を確保していた。私は手を振る。
「ここウチらの席にしちゃおーぜ」
日本人は大抵、通勤電車などの車両や1度座った場所を自分の指定席にする習性が有るから大丈夫だろう。
「仕事どーよ?」
「なんか舞んとことは違って地味ぃ~な作業なんだけど、楽しいね。続けられそう」
「だよねー。時給いいのに楽ちんだよね。慣れると手が勝手に動いて、となりの人とかと話せちゃうもん」
「へぇ~」
舞は人なつこいけれど私は慣れても余計な事を話す事は無いだろうな。ソツ無く交わす位で。
また、そんな事を、ぼんやり考えつつ携帯に着信履歴が1件入っているのに気が付き、誰だろうと確認しようとしていたら舞が何かを思い出した様で、あ!と声を上げた。