バイトの私は、油ぎっしゅと役立たずを無視し、自転車を走らせながらBLOODのアルバムに浸る。JUNが書いた、"Rude boy"
"I'm the trriger"世間を嘲笑った激しいロックで音漏れしているであろう、鼓膜がイカれそうになる位に破壊寸前に上げたボリュームで狂気に近い声を上げながら自転車を音楽と同じテンポでこぐ。街行く人が見ていようが関係無い。曲が終わると、恐らく此の街で1番の馬鹿野郎な私は、ばかやろー!!と叫んだ。私が大好きなRAIが書いた儚い曲"Rain"に切り替わるとRAIの泣きの入ったアルペジオに耳を済ます。更にYU-Aが書いた
"Mind"では大切な人が亡くなると言った悲しい歌詞が綴られている。気が付けば自転車をこぐスピードが遅くなっていて、曲調に合わせて感情がペダルをこぐ足に伝わっている。あの頃に帰りたい。東京ドームの最前線に。現実を忘れたい。でも義則はもう要らない。私は泣いていた。私は躁鬱なのだろうか。それでも構わない。鬱の人は食欲が無くなると聞いた事が有るから食べられない事は私にとって都合が良い。愚かな私が餓死すれば良いのだから。