love psycheのアルバムを、また再生する。勿論BLOODのアルバムも鞄に入っている。何せ休憩時間が3時間も有るから、食べ物に執着しなくなってから時間を持て余す様になってしまった。あれだけ有った食欲は何処へ行ってしまったのだろうか。控え室に誰か入って来ても適当に交わすだけで、音楽を聴いてやり過ごすしか無いのだ。だから、鞄には常にCDを入れて自分の世界に入っている。何故休憩時間が長いかと言うと、お店は24時間で、私が沢山稼ぎたいですと面接で話したら勤務時間が11時間になり、今更変えて下さいとも言えず、面接で、やる気を示さないと不採用になるから、そうアピールしてしまった。だけど今は後悔ばかりだ。関根は居るし店長は宛てにならないし。極度のストレスで生理の血が、ちゃんと出ない。これも関根のせいだ。関根のセクハラと急激な体重の変化。
関根が帰って来た。
「ふぅ~、暑い暑い」
益々頭が汗まみれになっていて気持ちが悪い。密室の恐怖がまた始まった。関根の言葉を無視し、私はBLOODの曲で元気を貰おうと鞄を漁った。その拍子に生理ナプキンがCDと一緒に出て来てしまった。それに直ぐ気が付いた関根は、
「生理なの?」
と、完全なるセクハラ用語を口にして来た。
「…はぁ…。まぁ…」
私がトイレに立とうとすると、
「何?ナプキン代えるの?」油ぎっしゅな顔でニタニタしている。
「どうでもいいじゃないですか」
余り出血していないし、ナプキンをビリビリ取り替える音を聞いたら関根は益々喜ぶだろうから、トイレに行くのを止め、そう言い放ってから私はBLOODの曲を聴き始めた。助けてBLOOD。ボリュームを上げてロックな曲に集中する。あぁ、歯が痛い。殆ど食べていないし、疲労とストレスで抵抗力が弱ってしまったから痛いのだろうか。ジンジンと独特な痛みがする。