控え室でlove psycheのCDを聴きながら、視界に関根の足が見えた。こいつ私が控え室に1人なのを知って入って来たな。と察した。あんなに食べ物に執着していたのに、あなたのお陰で水分しかとれなくなったの。食べられない体質に変わったみたい。ありがとう。そっぽを向いて音楽を聴いてお茶を飲んでいたら、背中を叩かれ、仕方なくイヤホンを外すと、
「ねぇ、これから、100円ショップでお店の備品を買いに行くんだけど一緒に行かない?」
何で私なんですか?
「いえ、結構です」
触られた背中が洋服の中に虫が入ったかの様に全身が、ぞわわわーっと鳥肌が立った。
「えー、寂しいな。行こうよ」
私の腰に手を回すな!
「疲れてるんで」
人混み、大嫌いな100円ショップ。おまけに関根付き。行く訳がないだろう。関根は腰に手を回したまま私の頬にキスをして去って行った。関根が居なくなったのを確認し、私は速攻で洗面台で頬に付いた唾液を石鹸を付けて何度も洗い流した。細胞が、関根の細胞が…!たまらず店長に訴えた。店長は、
「あー、あの人何処行っても、あんな感じらしいよ」
「店長、何とかして下さい」
「…ごめん。俺じゃ何も…」
店長を睨み付けた。山下と言い、この役立たずめが。目薬4滴と膝掛け洗って返せ!だから人間は嫌いだ。懲りずに信じた私も馬鹿だ。死ね。皆死ね。弁当なんか食うな。餓死しろ。チェスみたいに蹴落としてやりたい。チェックメイト。