"君が可愛いいから採用したんだよ。"
30代前半なのに髪が禿散らかっていて、そこから見える額なのか頭なのか境目が分からない場所は、いつも汗ばんでいて油ぽく気持ちが悪い。店長は23歳で格好良いのに。目の充血が止まらない店長が目薬忘れた。と言うから、あたし持ってますよ!と一目散に貸してあげたり、新店舗で初めて店長を任されて、マンスリーマンションに寝に帰るだけで、控え室で疲れて何かの書類を持ったまま壁に背中をつけて眠りこけていた所に膝掛けを、そっと掛けたりしたと言うのに店長はちっとも私に振り向いてくれない。極力人間と関わりを持たないと決めたのに、あんなに素敵な人が居たら近付きたくなってしまう。なのにどうして、あなたは振り向いてくれなくて、その反面、興味が無いから正しい年齢も知らない究極に関わりを持ちたくない禿散らかった油ぎっしゅな関根と言う男は私に近付いてくるのか。どうして嫌いな、どうでも良い義則と言い学生さんと言い、そして今は関根が急接近して来るのか。私の近寄らないでオーラは私が関わりを持ちたくない人間達にはフェロモンに変わって漂っているのだろうか。