まだ資格を取れていないまま、また仕事を探し始めた。家を追い出されるから。
電車に乗って、服を買ったり呑み歩いたり、カラオケしたりするには田舎に住んでいるこの街の人は皆出向く場所に行った。
ケータイショップを覗いて、新しいケータイ欲しいなぁ…とか、CD買いたいなぁ。あ、この店、カリスマV系の直筆サイン有るんだよね。と、サインをマジマジ見たり、こっちの演歌専門のCD屋は大物演歌歌手サインが飾ってあるな。この服、格好良いな。欲しいな。
来たは良いけど、お金無いしなぁ…。
そんな事を考えながら、ふらふら歩いていたら100円ショップが目に入った。
こんな所にあったっけ…。
100円の物位なら何か買えるかも。
特に欲しい物は無いけれど、適当に物色して、何だか色んな物があって楽しいなと思った。
でも結局買ったのは、ジュース1本だけ。
まぁいいや。帰ろう。と、店の入り口を見たら、求人の貼り紙が目にとまった。
…時給900円。
時給に目が眩んだ。
私は早速、家に帰り応募して、面接をした。
店長は、
「ウチの店、忙しいけど大丈夫?」
「忙しいの、慣れてます」
ケーキ屋の糞ババァに散々扱き使われて忙しかったから、簡単に答えた。
すぐに採用されて、働く事になった。