勉強などしなくても、ちゃんと学校に通っていれば留年しない高校だったし、ちゃんと学校に通っていれば、親に叱られる事も無い。家に帰れば黙っていても御飯が食べられる。高校を卒業してバイトを始めてから、仕事をしないと家を追い出されるし、少しでも家事を手伝わないと叱られる。就職しなかったから肩身が狭い毎日だ。自分で選んだ道だけれど。
しかし今日は、何故だろう。気付けば凄く久しぶりに夜空を見上げている余裕がある。"友達になろ~!"と言ってくれた舞が居るからだろうか。香は直ぐに辞てしまったし、一緒に帰ろう。なんて誘える雰囲気でも無い子で家がバイトの近所だったし、千春は、彼氏が居るから一緒に帰った事が無いし、でも今日は始めて舞と一緒に御飯を食べて帰れるし嬉しい自分が此処に居て、少し気持ちに余裕が持てたからなのだろうか。星星を見ていると自分って、ちっぽけに見えるって本当だなぁ。こんな気持ちにさせてくれた舞、ありがとう。