鈴カステラを喰らいながら、ゴミ箱に捨てられた、おにぎりを見つめながら、ごめんね。私が食べてあげたいけれど、拾い食いは流石に出来ないんだ。と、心の中で、おにぎりにテレパシーを送る。

ドリンクダイエットに、早食いを防止する方法が書いてあった事を思い出した。前に1度、鏡に映った自分を見た事があったけれど、今度は意識的に鏡で自分が食べている顔を見る。机に置いてある鏡を使って試してみる。
映し出された顔は、それはもう、むくんだ様に腫れ上がって、その腫れ上がった顔に鈴カステラがハムスターの様に口いっぱいに入っていて破裂しそうな風船みたいな顔をしている。
これは風船化け物だ。風船が萎むと死んでしまうから、常に食べ物で膨らみを維持しなければいけない化け物だ。
直ぐに鏡を裏返した。

あぁ、千春。千春ちゃんの裸が見たいです。そう言ったら、どうなるのだろう。きっと変態扱いされて、彼氏が怒り狂って此処に乗り込んで来るかもしれない。千春はもう、仲良くしてくれないかもしれない。私は、また妄想の世界に浸る。

こんな醜い、妊娠している様な身体の風船お化けとエッチをしている私の彼氏は、どう思っているのだろう。でも、醜い身体だから適当な理由を付けて最近エッチしていないな。休みも合わないし、余り逢えないし。