「おはよー。…あ~あ…眠い」
いつもよりも怠そうに千春が出勤して来た。
「おはよー。どうしたの?寝不足?」
「んー。後で話すねー」
気になったけれど多分、お昼休みに話してくれるだろう。

あぁ。朝御飯しっかり食べたのに、お昼休みの事考えたら早くパンが食べたくて堪らなくなってしまった。千春、今日もまた、おにぎり残しちゃうのかな。

レジを打っていると、お菓子類の食品を持ってくるお客さんが羨ましくて仕方がない。いいな。今すぐ食べられるから。今日のおやつは、このお客さんが買っていった、鈴カステラにしよう。もちろん一気に平らげる。残すなんて事は考えられない。

香、相変わらず、ちゃんと食べていないのかな。同棲するのなら、御飯作ってあげないといけないんだよ。余計なお節介と心配をしていた。

そんな事をウダウダ考えていたら、待ちに待った、お昼休みになった。
千春の話しを聞きたいのも有るけれど、早く食べ物を口にしたいから走って、いつものパン屋で、いつもの様に5個パンを買った。
正直、毎日買いに来ているから、パンの種類に飽きていた。だけど口に入れば何でもいいと言う気持ちの方が勝っていた。

仕事中では考えられない軽快な足どりで2階に上がると、買い物に出る必要の無い千春が、既に予想通り、眠そうな顔で、おにぎりを美味しくなさそうに、面倒臭そうに、モサモサと食べていた。
「お待たせ」
「おかえりー」