イマージョン

それから、血まみれの手でビールとゼリー飲料を飲んで、また切った。肉が見える。どうして肉があるのだろう。こんなに身体を削ぎ落としたと言うのに。納得いかなくなった私は近くに置いてあったゴミ箱に指を突っ込んでビールとゼリー飲料を吐き出した。酸っぱい味を感じながら、また剥げたネイルを見つめた。食べ物と呑み物は、もう要らない。何だか知らないけれど何か吸いたい。煙草でも良かったのだけれど、デスクの隣りの棚から薬箱を取り出して、昔インフルエンザになった時に余ったリレンザを取り出した。どうして病気になどなるのだろう。容器に錠剤を粉末にして口から吸い込む。まだ飽き足らない私は、精神薬をブレンドして、また粉末にして気が済むまで吸い続けた。抗精神薬、安定剤、頓服、睡眠薬。粉末にしては吸う。途中から鼻から吸ってみたりした。何度か吐き気に襲われたけれど、せっかく取り込んだ薬は吐き出してしまったら勿体ないから何とか堪えた。それを幾度となく繰り返していたら、フワフワしてグラグラしてガクガクして楽しくて愉快になって、そのままベットに仰向けに寝転んだ。ベットから浮いているみたいだった。次に、青々と浮き出ている太い血管を、切った。力加減とか分からなくなっていたから、ビューっと綺麗な弧を描いて血が吹き出た。それはそれは美しい光景だった。意識が朦朧としながらも、うっとり見つめていた。