イマージョン

狂気乱舞。殺戮。略殺。と言った所だろうか。ゲームの画面を見つめながら、そんな表現が、ふっと思い浮かんだ。学生の時、落ちこぼれだった私には難しい言葉など分からない。黒いコントローラーをカチカチと鳴らしながら冷蔵庫からビールとゼリー飲料を取り出して、交互に飲む。コントローラーに付いている油が人間臭くて気になる。ミランさんは最近インして来ない。バツが悪いと思ってるのか知らないがゲームの世界なんだし別に普通にしていればいいじゃんと思った。それよりも銃なんかよりも馬鹿デカい斧を思い切り振りかぶって、こいつらの体を吹き飛ばしたい。内臓が飛び散る瞬間を瞬きせずに見つめたい。返り血を浴びたい。どうせゲームなのだから何度でも生き返るでしょう。何故、内臓が有るのだろう。私の呑んだビールとゼリー飲料は何処へ行くのだろう。逝く前に本当に他人とか自分を解剖してみたくなった。テレビ画面の後ろにあるデスクからカッターを取り出して手首を切ってみた。日頃から切っているから簡単に血が滲み出てくる。痛くない?痛い?気持ちいい?気持ちいい。気持ちいいよ。凄く。顔を天井に向けて目を閉じた。目を閉じたまま切り続ける。イッてしまいそう。あぁ、もうヤバいよ。「あ…」と小さな声が出た瞬間オルガズムに達してしまった。声が漏れたと同時に尿道から何か出てしまった様だ。余韻に浸りながら、ゆっくり目を開けると、布団が血まみれになっていて、またゾクゾクした。