ｲﾏｰｼﾞｮﾝ

憂鬱と苛々した気持ちで今日も働いている。

痩せないし、仕事は苛々するし虚しい…。何だかぼーっとしている。

「美～夢～！」

ぎょっとして振り返ると、高校時代の友達2人が、そこに居た。

突然の事で私は
「え？え？どうしたの？」
ひっくり返った声になった。

「近くまで来たからさぁ。しっかり働いてるか見に来たさぁ。」

就職して、会社に馴染んだ頃だからか、余裕綽々な友達2人。

はっと自分の服装が急に恥ずかしくなった。
寝間着の様なﾀﾞﾎﾞっとした可愛らしいｸﾏの絵が描かれているﾄﾚｰﾅｰを着ているではないか。

出っ張った、お腹を隠す為に、服装を気にしないで、ｴﾌﾟﾛﾝで隠れるから、いいや。と、適当な格好をしている。

友達2人はｷﾁﾝと、お洒落している。多分、ﾊﾞｲﾄと違って会社に行く時も、ちゃんとした服装で行っているのだろう。

私は間が持たなくなり、自分から、おちゃらけた感じで、今日は寝間着みたいなｸﾏの服だよ～。と自白した。

そんな私に、友達2人は、あはは。と笑う。

「じゃあ～仕事あるから、またね」

私は逃げる様に重たい身体で2階に駆け上がった。
すぐ誰かと比較して1人で嫉妬したり落ち込んだり、もうこんな自分が嫌だ。
頑張っても頑張れない情けない、意思の弱い私。
悲しい気持ちで2階で煙草に火を付けると、香が居た。

香の様子が何時もと違う事に気が付いた。