ミルクの様な白い甘い香りに癒やされながら風呂に浸かる。男なのに、こんな入浴剤を使うんだ…。などと思い、風呂場をシャワーで綺麗に流して洗面台に置いてあったドライヤーを借りて軽く髪を乾かしたら、凄くさっぱりした。こたつのあった部屋に戻ると浅倉さんは、そこには居なく、代わりにチィがまた、目一杯尻尾を振り出迎えてくれた。テレビは消してあって、ふと目をやると飲みかけだったお茶がまた、グラス一杯に継ぎ足されていた。風呂上がりで喉が乾いているだろうという気遣いなのだろうか。
「浅倉さん?」
抱っこをせがむチィを抱えながら何度か呼ぶ。
「出た?」
声がする方へ向かう。
「開けるよ?」
彼はベッドで横になっていた。
「お風呂ありがとう」
「あぁ。俺も入って来る。チィ貸して。ゲージに入れてくるから」
「うん」
「服、何か貸そうか?動きづらいだろ」
「あ、ううん。大丈夫」
「そっか」
ぽん。と、洗いたての私の髪を撫で、適当にくつろいでて。と彼は言い残し、私は部屋に独りきりになった。