イマージョン

私はアンドロイド。脳の機能は多少ある。IQは3歳児位かも知れないけれど。人間と関わる事を極力避けて来たから世の中の事情とか常識が欠けているかも知れない。だから3歳児であって、今はコールタールの脳みそで靄靄としていて更に難しい事に直面している。本当の友達ならば、「頑張って奪っちゃいなよ」か「そんなの、やめた方がいいよ」とか言うのだろうか。煙草を見つめながら、そんな事を考えていたらフィルターまで火が廻ってしまったから新しい煙草を取り出し、また火を点ける。煙りを吐き出しても答えは出ない。そして沈黙が重い。目線だけ舞に向けると彼女も沈黙が重いのか、煙草を吸い続けている。舞には悪いが次第に面倒くさくなり別に励ましたり否定もしなくてもいい様な気がしたから、
「彼と結婚したいの?」
と、とりあえず聞いてみた。
「うん」
と、あっさり返事をして来たので私は、そっか。とだけ言い、彼女の人生だから口出しする必要は無いと言う結論に至った。眞奈の時が、そうであった様に。私は私。彼女達は彼女達。決めるのは自分達。私だって他人に未来を決められたくない。山川と一緒に沖縄になんて住みたくない。