少し蒸し暑い夏の終わり。改札を出た所にある柱に寄りかかりながら人間観察をしてみる。見た目が不釣り合いなカップルが、恋人繋ぎとか言う手を絡ませ、いちゃつきながら楽しそうに歩いている。何が楽しいのだろう。好きな人と一緒に居るから?そんな2人を目で追っていたら、聖を思い出した。私のが不釣り合いだった。あぁそう言えば私も彼を好きだったな。あの頃は好きと言う感情があったんだな。彼は今頃どうしているのだろう。就職でもして結婚しているのかもしれない。けれど、あんな男だから不倫しているかもしれない。まぁいい。もう過去の人だ。不釣り合いなカップルのせいで余計な事を思い出して少し苛々してしまった。改札から次々と大量の人間が出てくる。改札に突っかかって列を乱す者も居る。…機械だって完璧では無いのだ。私だってそうだ。改札の機械よりは完璧になりたい。足早に人並みをかき分け進むサラリーマン。お母さんと一緒の小学生、赤ちゃん。学生。この子達は、この先どの様な人生を辿るのだろう。汗臭そうな汚らしい格好をした、おじさん。太ったおばさん。しわくちゃなおばあさん。醜い。私は、あんな風にはならないと誓う。彼等は見苦しいけれど、見ていると私のエンジンオイルが新しく入れ替わる様な感覚になる。


