11試合位してキル数MVPを3回獲得した。レベルも上がった。敵を撃ち殺す他にMVPを獲得して皆から一目置かれるのも快感の1つである。今日は機嫌が悪かったので撃ち殺した死体に死体撃ちまでしてやった。だけれど、これは所詮TVゲーム。幾ら死体を何十発撃っても死体は粉々にはならない。トマトみたいにグチャグチャになって内蔵が飛び出せば良いのに。と、いつも思う。人間の脆さを知りたい。死体撃ちをしたら大抵、次のラウンドで仕返しをされるが、私は負けない。必ずまた次のラウンドで殺り返す。時にはスナイパーになって1発ヘッドショットを喰らわせてやる。暴れたい時は瞬時に突っ込んで現れる敵に撃たれる前に撃ちまくる。仲間のチームには残忍だと思われているかもしれない。だけど人間の脆さを知りたい。追求したい。性格が良く現れるゲームだ。こんな小さな世界で…と思うけれど、もう私は此処でしか自分を現す事が出来なくなっていた。気が付けば缶ビール6本と半分を空け、灰皿は煙草が山盛りになっていた。まだゲームをしているメンバーが要るけれど、私は気が済んだのでゲームの電源を落とした。外の鳥の鳴き声だけでシンと静まり返る朝。私は、この瞬間が最も嫌いだ。自分と向き合わざるをえない感じがするからだ。人間の脳みそが、ザワザワ活動し始めて、色々問題を投げかけてくる様な感覚になる。だから私は、直ぐに残り半分のビールで睡眠薬を流し込んで無理矢理眠りに入る。眠れる事に関しては半分人間である自分に感謝している。